全自動麻雀卓は、決して安い買い物ではありません。家庭用でも10万円台から、点数表示つきなら20〜30万円。それでも「思い切って買ってよかった」という声は多い。なぜでしょうか。答えは「打つ回数」にあります。この記事では、全自動卓の値段を、雀荘のゲーム代と突き合わせて、「何回打てば元が取れるのか」を具体的に計算します。
まず、全自動卓の価格を押さえる
全自動卓の相場は、用途と機能でくっきり分かれます。
- 家庭用(基本機能):10〜20万円
- 家庭用(点数表示つき):20〜30万円 ── 例:AMOS JP-DG が税込198,000円
- 業務用(低価格帯):40〜50万円
- 業務用(標準):50万円〜
家庭で使うなら、多くは10〜30万円の帯に収まります。座卓兼用や折りたたみ式など、住環境に合わせた選択肢も増えました。ここでは、わかりやすく20万円の家庭用卓を例に話を進めます。
雀荘に通う場合のコストと比べる
比較対象は「雀荘のセット卓に通う」場合です。仲間4人でセット卓(貸卓)を借りると、1回3時間で一人あたり1,500円前後、4人で約6,000円が目安です。
打つ頻度で、年間コストはこう変わります。
- 月1回:
6,000円 × 12回 = 年72,000円 - 月2回:
6,000円 × 24回 = 年144,000円 - 月4回:
6,000円 × 48回 = 年288,000円
これを、20万円の卓を4人で共同購入した場合と比べます。卓は一度買えば、あとのゲーム代はかかりません(電気代などはわずか)。すると「元が取れる」までの年数は──
- 月1回なら:
20万円 ÷ 年72,000円 = 約2.8年 - 月2回なら:
20万円 ÷ 年144,000円 = 約1.4年 - 月4回なら:
20万円 ÷ 年288,000円 = 約0.7年
月2回以上打つ習慣があるなら、1年半以内にペイし、その後は打ち放題という計算になります。よく集まるグループほど、卓は「高い買い物」ではなく「回数券の先払い」に近い性格を帯びてきます。
お金に換算できない価値も乗る
さらに、金額に表れない価値もあります。
時間:手積みは洗牌と山積みに時間がかかります。全自動卓なら、その時間がまるごと対局に回る。同じ3時間でも、打てる半荘数が増える。これは雀荘が「回転率を買う投資」として卓を導入するのと同じ理屈で、家庭でも「打てる量」が増えます。
気軽さ:自宅なら、深夜でも、終電を気にせず打てる。飲食も自由。人目を気にせず初心者を交えて練習もできる。この「いつでも打てる」価値は、通うコストには表れませんが、麻雀を生活に取り込むうえで大きい。
手積みの負担軽減:牌を伏せて混ぜる作業は、地味に疲れます。とくに長時間打つと、この差は効いてきます。
「元が取れない」ケースも正直に
とはいえ、全自動卓が誰にとっても得なわけではありません。
打つ頻度が年に数回なら、20万円を回収するのに何年もかかり、雀荘やネット麻雀で十分でしょう。置き場所の問題もあります。折りたたみ式でも、それなりのスペースと重量がある。引っ越しの多い人には向きません。
こういうときに視野に入るのが中古市場です。全自動卓は頑丈で長持ちするため、中古の流通が活発で、新品より安く手に入れられます。使わなくなれば売ることもでき、リセールバリューが比較的残りやすい。「まず中古で試す」「使わなくなったら売る」という前提なら、実質的な負担はさらに下がります。買い切りではなく「一定期間の利用料」として考えると、判断がしやすくなります。
卓は「時間」を買う投資
全自動麻雀卓の経済を、ひとことでまとめると「時間と回数を買う投資」です。雀荘がゲーム代の回転率を上げるために卓を導入するのと、家庭が打ち放題の環境を手に入れるために卓を買うのは、根っこが同じ判断です。月に何回打つか、その回数が損益分岐点を決めます。
雀BOYは、麻雀を「する」楽しさも、その裏側の「お金の構造」も、両方ふくめて面白がりたいと思っています。道具は、麻雀を生活に取り込むための入り口です。もし仲間とよく打つなら、一度「わが家の損益分岐点」を計算してみてください。意外と、卓はもう手の届くところにあるかもしれません。
(具体的な機種の選び方 ── 静音性・折りたたみ・サイズ・点数表示の有無など ── は、別記事「道具えらび」で詳しく扱います。)
この記事は特集「麻雀ビジネスの地図」のスピンオフです。
※価格は公開相場にもとづく目安で、機種・時期・新品/中古によって変わります。試算は前提を置いた概算です。









